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家の誕生日「建前」

限界集落 飛騨匠の挑戦 ~“巣づくり”の鼓動 -5 ~

巣づくり”の鼓動 -1|故郷の里山消さない今日は建前。取材当日は見事なまでの五月晴れ。現場には活きのいい飛騨匠集団が勢揃いした。柱や梁をつり上げるクレーンエンジンの重低音が作業開始の合図。匠たちが一斉に、足場を頼って巧みに自分の持ち場へと移動。いよいよ始まる。何十回と打ち合わせをした家が、図面や模型ではなく家という形になって誕生する日が建前だ。この建前は匠たちにとっては最初の腕の見せどころだ。ふだん気さくな匠たちも、何かいつもとは違うオーラを発しているように感じる。前日に敷設された土台の上にまず何十本もの柱が組み込まれ、そこに梁という柱と柱を持たす木が横に組まれていく。
 
わたしの祖父は2人とも大工だった。小さい頃のおぼろげな記憶の中では、土場で木に墨を打ち、そして柱を差し込むほぞを彫り、柱と柱を接合する仕口を作るお爺さんの顔には余裕があり、そこが私の遊び場だった。
 
ところが建前3日くらい前になると、ふだん優しい爺さんたちがあまり口をきいてくれなくなる。祖母に聞くと、「建前まであと数日だからだよ」と言って聞かされた。神経を研ぎ澄ました爺さんは、家族との距離をおのずから置いていた。当時の建前は集落の多くの人々の手を人工(にんく)として借りて行うため、棟梁(とうりょう)にとってみれば、間違いは一世一代の恥。ミスは許されないのである。それだけに「大工ほど神経を使う仕事はないよ」というのが祖母の口癖だった。
 
時代が移り技術も進歩し、手刻みという作業は少なくなったが、ここにいる匠たちは木を熟知し、手刻みのできる軍団である。プレカットとはいえ、木組みに対する注文はすこぶるうるさい。機械化が進んだ中でもこだわりのある匠たちである。
 
建前が最終場面を迎えた頃、ふとお客さんの顔を見るとなんとも言えない感動が伝わってきた。よくここまで来たという安堵感と、いよいよこの人達と家づくりが始まるんだという期待感にあふれている。家づくりはいろいろと手間がかかり苦労も多いが、一緒に家を作り上げていくという感動はその何十倍も価値のあるものとなる。これから家を建てられるお客様には、たっぷりこの感動を味わっていただきたいものだと思った。

(木曽三川プロジェクト・巣づくりの会世話人 吉田和弘)

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